雨乞笠おどりの由来と伝承

由来

野田雨乞笠おどりは、約310年前の1712年に野田八幡宮で、雨乞いの祈願が行われた記録が残されています。その後田植え前後の干ばつに苦しめられた年に雨乞いが野田八幡宮で行われました。
昔から野田村は、米を作る地域で稲の田植え前後の干ばつは、農民の死活問題でした。そこで雨をお願いする「雨乞おどり」が行われ、その結果恵みの雨を頂いた農民たちは嬉しさのあまりまだ雨の降っている中を、すげ笠をかむり外へ出て踊りまくって喜びを表わしたそうです。その姿が野田雨乞笠おどりの起源になっています。

伝承「昔をそのまま後世に伝えたい」

雨乞い笠踊りは、300年以上前に野田八幡宮で祈願され、途中大東亜戦争で中断しましたが、1979年に市制30周年のおり野田青年団が、中断前に雨乞いを踊られていたご老人に指導を受け練習を重ね復活しました。
その後、毎年8月に雨乞い笠おどりを子供たちに教え、最終日曜日に野田八幡宮で奉納を兼ねたお披露目をします。 この期間中私たちは、雨乞い笠踊りの伝承を意識しながら、子供たちに「昔雨が降らない時に踊った事」、踊り,唄の中にある「お百姓さんたちの気持ち」そして、私たちが教わった唄と踊り方を「そのまま」伝えています。
復活した当初、子供たちに鈴を持たせて踊ってみたりして、少しでも煌びやかに見える様考えた事がありました。 しかし会を重ねる中雨乞い笠おどりは、お百姓さんが自分の浴衣を着て、太鼓の周りを踊った素朴な踊りであり、この「素朴さ」を残す事が雨乞い笠踊りを伝承する中で、非常に大切であると考える様になりました。 私達は、少しでは有りますが全国の郷土芸能イベントに参加する中で、素朴で質素な雨乞いを伝承出来ている事が誇りであり、煌びやかな雨乞い笠おどりにせず、昔のままを伝承して来た事が正しかったと考えています。